猫とワタシ

ご供養物語

2014年6月 大日如来さまに導かれて始まった 広く深い故人のご供養のお話

この記事のみを表示する33番目 千代君さん

供養

 33番目は千代君さま でした。

まだお小さいのですが、とてもはっきりとご自分の考えを仰います。



 お庭では殿様と千代君様が毬遊びに興じられております。その姿を微笑みながら見つめられているのが、母上様。

 そこへ居丈高な女性たちが数人 やってきました。
千代君様の母親の姿に目を留めると、つかつかと近寄り 足蹴にしました。

母さま! と駆け寄る千代君様のことも うっかり といった体でやっぱり 足蹴にしました。

殿様もそこまでのことを目にすると、黙っているわけにはいきません。
が、女性たちはさほど悪びれた様子もなく 居丈高なまま 去っていきました。


 私はなぜ 母さまがあのような仕打ちを受けるのか 
私に対してもなぜ あのような態度をとるのか わかりませんでした

 私が 母さまがあの者に何をした と言うのでしょう?


 千代君様はそのことがどうしても理解できない と仰いました。
木の実をお渡しし、居丈高に振舞っていた女性を呼びました。


 私は千代君を認めたことは一度もない
私にとってお世継ぎは 千代君ではないのだから

お名前は失念しましたが、殿様の正室側の方でした。
残念なことに 正室さまは男の子に恵まれませんでした。
そこで側室 という形になったようですが、そちらで生まれた千代君様がお世継ぎとなることを 認めることができなかったのです。

 そうこうするうちに、正室さまにも男の子が生まれました。有り体に申せば、千代君様が邪魔になった・・・



 そういった話を伺っているそばに、千代君様が立っておられました。


 そなたは、そなたの母が他のものに足蹴にされるのを見たことがあるか?
 それが子供にとってどれだけ 口惜しいことかわかるか?

 女性にとっては思いがけない問いかけだったようです。


返事をしない女官に、千代君様は木の実を渡されました。
千代君様が食べておられた そんな木の実です。


 私が毒見をしてある 
何の心配もなかろう

 そう言われて、女性はその木の実をひと口食べました。
続けて食べていくうちに、こころが和らいだようです。


 千代君様 わたくしにもあなた様の思いがやっと理解できました
あなたの大切な母上を足蹴にしたこと 伏してお詫び申します


そう言われると、千代君様の足元にひれ伏しました。


 よい
わかってもらえば それでよいのじゃ


 女性は共のものにも木の実を食べさせました。
千代君様は、ご両親をはじめ、城下の者にも たくさん食べなさい と呼び寄せました。


 しばらくして、まず女性たちが失礼いたします と光の元へ還っていきました。
城下の者たちも 思い思いに還っていきました。

 最後に残った千代君様と殿様 そして母君も、優しい笑顔のまま 光の元へと還っていかれました。


ありがとうございます。

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