猫とワタシ

ご供養物語

2014年6月 大日如来さまに導かれて始まった 広く深い故人のご供養のお話

この記事のみを表示する32番目は 黒田藩の若様

供養

今日は32番目 黒田藩の若様。お供の方もそばにおられます。

 まだお若いのですが、どういうことなのでしょうね。早速 生きざまをみせていただきました。


 藩では若様の側室候補を、主だった名家からご奉公と称して毎月お屋敷に集めていました。もちろん それが目的だとは、若様も月に一度ご奉公に上がる娘さんたちにも 教えられてはいません。

 そんな中で、若様はひとりの少女が気になりました。
ただ気になった という事でしたが、次の時は手伝うふりをしてその娘さんのそばに長くいました。
それは とても楽しいひと時でした。

 周りの者はやれやれ と胸を撫で下ろしたのですが、そんな折遠乗りに出掛けた若様が崖から転落して死んでしまう という出来事が起こりました。
従者は、短く文を認め 手綱にくくりつけて屋敷へと馬を返しました。



 若様 事情はだいたいわかりました。
それで? なにが心残りなのですか?

 あのむすめ 美乃と申しておったが、その後どうしたであろうな・・・
なにやら 気に掛かって 落ち着かぬのじゃ


 そうでしたか、では美乃さんに来ていただきましょうか?

 おお そうしてくれ
その後 どうしていたのか あの時の楽しいひと時を覚えておるか 知りたいのじゃ



 若様には木の実を渡して、美乃さんに来ていただきました。

明るくて はきはきとした印象の女性です。若様に出会ったころのことを聞いてみました。


 はい お屋敷には何回か 月奉公という形であがりました
親からはどういう意味があるのか 聞かされていませんでしたから、いつも通り 拭き掃除などしておりました
その時 私よりも若い方が声を掛けてくださり、一緒に拭き掃除をしてくださって(笑)

まさか あの方が若様だったなんて ふふふっ

 両親に話しましたので、いつお召があるか それは待たれましたね・・・

結局若様は亡くなられて、私は親の決めた人と一緒になりました


 そうでしたか。

そこへ若様がやってきました。

美乃どの お久しゅうございます

 若様! これはこれは・・・

いやいや いまは何の身分もない 
お気に召さるな

 
 しばらくは楽しそうに あのころの話をされていました。美乃さんが 自分のことをしっかりと覚えていてくれたこと、そして屋敷に上がることを心待ちにしていたらしいことを知ると、若様はとても機嫌が良くなりました。


 もしも どこかでまた会うことがあれば、その時はもっと親しくなりたいものだ

 そう若様が言うと、美乃さんも恥ずかしそうに頷きました。

そうして ふたりはゆっくりと光の元へと還っていきました。


 残されたのは、家臣。このまま放置することも出来ず、彼の言い分も聞いてみました。

 

 若様をお守りすることができず、あの時若様の後を追いました
無念でした
殿様に合わせる顔もありませんでした
あれから ずっと 若様と共におりましたが、これでもう 私も成仏することができます

 もちろん この方にも木の実を食べていただきました。
しばらくして、白馬がやってくると家臣はその馬に乗り、光の元を目指しました。


ありがとうございます。
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

secret