猫とワタシ

ご供養物語

2014年6月 大日如来さまに導かれて始まった 広く深い故人のご供養のお話

この記事のみを表示するスポンサーサイト

スポンサー広告

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

この記事のみを表示する31番目 ごんたさん

供養

 31番目はごんたさんです。
なにやら同じお名前が出ているような気もしますが、同名の方はいて当たり前 という事ですね。


 ごんたさん とても体の大きな方です。
山で伐採の仕事をしていました。気は優しくて力持ち を地でいくような そんな人でした。

 ある日、見知らぬ女性がごんたさんの家を訪れました。こんなことは今までなかったことです。
とてもきれいな女性で、しばらく置いてもらえないか と言いました。

 男所帯なので、何もできないが と言い置いて山に出かけました。

 帰ってみると、家の中はきれいに掃除をされており、夕餉の支度も出来ていました。
なんてことだ! ごんたさんは喜びました。

 こうして数ヶ月が経ちました。
千登勢さん というその女性は、ごんたさんを優しい目で見るようになり、そのうち女房になりました。
ごんたさんは毎日がとても幸せでした。

 ところがある日 仕事から帰ってくると千登勢さんの姿がありません。夕餉の支度も整っていません。

 胸騒ぎがしました。

結局 ごんたさんはそれっきり 千登勢さんとは会うことはありませんでした。


 ごんたさん 千登勢さんに会いますか?

もちろんだ
なぜ 急にいなくなったのか それを知りたい
元気でいるのだろうか
誰かに殺されてしまったのではないだろうか

ずっと心配してきたんだ


 ごんたさんに木の実を渡した後、千登勢さんを呼びました。

 穏やかそうな素敵な女性です。
ごんたさんの心配を伝えました。


 そうでしたか
黙って出てしまったので、私も気がかりでした

そう言って事の顛末を話してくれました。


 千登勢さんはある商家でお嬢様付きの侍女をしていました。ある時 見た目の優しそうな男の人に声を掛けられました。

 千登勢さんはその男に恋をしました。しかし、ある日その男はお嬢様をかどわかして お金を得ようとしていることを知りました。

 そんなことをさせるわけにはいかない と、旦那さまにすべてを話しました。

 よく話してくれたね

旦那さまはそう 言ってくれました。そしてお嬢様の外出には、千登勢さんではなく男の人が付くようになりました。

 そうなってみると、恋仲になった男に会うことは怖くて千登勢さんは暇を乞うことにしました。

 そうやって 千登勢さんは流れてごんたさんのところまで来たそうです。
これまでにもその男に見つけられそうになると、千登勢さんは逃げていたそうです。


 ごんたさんを選んだのは、あの男を殺してくれるかもしれない と思ったからです
でも 一緒に暮らすうちに、この人には絶対に人殺しをさせてはいけない と思うようになりました

 町で男を見かけたので、ごんたさんに迷惑がかからないように と家を出ました


そんな風に話してくれました。
そこへごんたさんがやってきました。

 千登勢 無事でいたのか?

ごんたさん!!

 ふたりは抱き合いました。しっかりと抱き合って、これまでのことをみんな 忘れました。

 やがて 光の元へと還ろうとしましたが、千登勢さんの体はまるで油でギトギトになったようにしか 輝きません。

 
 千登勢さん まだ何か心にあるのではないですか?

そう声を掛けました。

 実は・・・

千登勢さんが話を始めました。
商家を出るとき、千登勢さんはそれほど多くのお金を持っていませんでした。ですから、お店のお金に手を付けたのだそうです。

 しかも ひとりで出たのではなく、男と一緒。
お嬢さんをかどわかすのは止めて と、男にお金を差し出したのです。

 しばらくはその男と暮らしました。
お金が無くなると男は、その町でも同じことをしようと 千登勢さんに持ちかけました。

 それが嫌で 男から逃げ出したそうです。

商家の旦那さまに来てもらいました。


 おお 千登勢か
あの時は世話になったが その後どうしていたのかね?


旦那さまは千登勢さんを案じるばかり。お金のことは何も知らない様子です。


 旦那さま
あの時 私はお店のお金に手を付けました
話したことに間違いはありませんが、そのお金を持って男と町を出ましたから、旦那さまには合わす顔がありません

 そうだったのかね
あの後 妻と千登勢に持たせてやればよかったな と話していたのだよ
気に病むことはない


 そんな風に言われ、千登勢さんは大泣きに泣きました。
その話を聞いていたごんたさんも、千登勢さんの背中を優しく撫でています。


 すべてを涙で洗い流した千登勢さんは、すっきりとした笑顔で旦那さまにありがとうございます と伝え、ごんたさんの手を取りました。

 透明なエレベーターに乗っているように、静かに二人は光の元へと還っていきました。



ありがとうございます。
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

secret

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。