猫とワタシ

ご供養物語

2014年6月 大日如来さまに導かれて始まった 広く深い故人のご供養のお話

この記事のみを表示する56番目は 咲ちゃん

供養

 カサブランカだったのでしょうか 3つの蕾がみな開き 華やかな私仕様の仏壇になっています。

ゆり

ちょっと画像が大きすぎましたね^^;


56番目は咲ちゃんという少女でした。

彼女は孤児で血縁はないのですが、同じ孤児のおにいちゃんと行動していました。

それまで住んでいた村を出たふたりは、手を繋いで峠に差し掛かりました。
まだ 日は高く、気持ちの良い天気でした。

ふと大きな杉の木のそばを通りかかったとき、おにいちゃんは 待っていて と言い置いて、大きな杉の木に登りはじめました。

最初は 面白そうに見ていた咲ちゃんですが、だんだんとおにいちゃんの姿が見えなくなると怖くなってきました。

ねえ 降りてきて!
おにいちゃん! 降りてきてよー!

何度も叫びましたが、返事はありません。

少しすると、ザワザワっと木の高いところが揺れ、何かが飛んでいくのが見えました。

薄暗くなっても、おにいちゃんは降りてきません。
そうこうするうちに、薪を背負ったおじさんが通りかかり、咲ちゃんは一緒に次の村へといきました。

ただ泣きじゃくる咲ちゃんに、おじさん夫婦は困ってしまい ひと晩泊めると後は咲ちゃんにどこかへ行くように言いました。

しばらく歩いて、朽ちかけた神社に辿りつきました。
泣いても泣いても おにいちゃんは帰ってきません。

置いて行かれた
一人ぽっちになってしまった

寂しさと怖さと、おにいちゃんを恨む気持ちもあったかもしれません。


数日後、咲ちゃんはおにいちゃんの夢をみました。

必ず 迎えに来るからね

おにいちゃんはそう言って、少しばかりの食べ物を咲ちゃんに渡しました。


ふと気が付くと、すぐそばに夢で見た食べ物が置いてあります。

慌てて おにいちゃん! と探し回りましたが、見つかりませんでした。


おにいちゃんは鳥になって飛んでいったのでしょうか?

咲ちゃんは言います。

あの時 ザワザワっとしたあと、何かが飛んで行ったんです
あれはおにいちゃんが何か 大きな鳥にさらわれたのではないか
そんな風に思いました


結局 咲ちゃんは、おにいちゃんが届けてくれた食べ物を食べつくした後 静かに息を引き取ったそうです。


おにいちゃんに来てもらいましょうね

そう言って呼びかけると、背中に大きな白い羽を付けたおにいちゃんが、静かに空から降りてきました。

ん? 天使ですか?


はい あの時私は天使に連れて行かれたのです

ん? 本当に?

ええ、誰に教えられた訳ではないのですが、あの木に登れば迎えが来る とわかっていました

そうなのですか・・・

咲ちゃんに食べ物を届けられたときは?

修行中でした
ですから 一緒に連れて行きたくても住む世界が違う と言われていました

そうでしたか・・・

にわかには信じがたいお話です。
それでも、おにいちゃんは空から降りてこられたし、背中に羽根もありますし・・・

咲ちゃんを見つけると、おにいちゃんはしっかりと咲ちゃんを抱きしめました。

置いてきぼりにして ごめんよ
どうしても 行かなくてはならなかったんだ

うん わかった


静かに咲ちゃんは言いました。

途中まででも、一緒に行こうか?

おにいちゃんはそう 咲ちゃんに聞きましたが、咲ちゃんは断りました。

住む世界が違うんでしょ?
それなら 私はひとりで行くわ

ちっちゃなエンジェルたちが 咲ちゃんを囲んで楽しそうに 光の元へと還っていきました。


咲ちゃんがいなくなると、おにいちゃんの様子が変わりました。
純白の衣装を着ていても、黒いものが渦巻いています。

本当のところはどうなのですか?

実はあの時 盗賊にさらわれました
そして その仲間になったのです
食べ物を持って行ったときも 修行中だったことに間違いありませんが、それは盗賊のそれ・・・

咲を連れて行けるところではありませんでした

そうでしたか・・・

普通では考えられないようなことを 盗賊たちはやってのけます
生きるため なのでしょうが、それを楽しんでもいる
私も すっかりそのひとりになったのです

では 生きることに悔いはなかったのですね?

いえ そういう事ではありません
楽しみながら ひとを傷つけ ひとから奪いました
今度も 咲と一緒には行けませんでした・・・

では どうされますか?

暫くこちらに居て 迷惑をかけた方たちに詫びて回ろうと思います

そうですね
それが良いでしょう

そう言うと、おにいちゃんは背中の羽を外して折り畳み、荷物に持ち替えて歩いて行きました。


ありがとうございます(^人^)
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