猫とワタシ

ご供養物語

2014年6月 大日如来さまに導かれて始まった 広く深い故人のご供養のお話

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この記事のみを表示する43番目は玉三さん

供養

43番目は 按摩をされていた玉三さんです。

生まれたときから 目が見えなかったそうです。
ですから 按摩になる という選択しかなかった と仰います。
腕の良い按摩 として、評判になり 何不自由のない暮らしをされたそうです。

なぜ ここにいるのか わからない とも仰います。

では と生きざまを見せていただきました。

男娼・・・

表向きは按摩家業で、娼館という形ではありませんでしたが、玉三さんは男娼として生きた人でした。
15歳で既に男娼として仕込まれていました。
素直な性格でしたから、男娼としての腕もめきめき上達したそうです。

しかも若くて ツボを得ている。
玉三さんに入れあげる女性は 多かった と言います。

そんな玉三さんは、なぜ光の元へと還ることが出来ないのでしょうか?
今度は直接 玉三さんに話を聞きました。

あたしゃね たくさんのおんなの人に悦んでいただきましたよ
美味しいものもいただいたし、気持ちの良いものを着せてもらったし・・・
それがあたしの世界でした
それしか あたしが生きる道はなかったんですからね・・・

最初は穏やかに話をされていましたが、だんだんと話しぶりが変化してきました。

それしか 出来やしないんです!
そう 生まれついたんですから
他の生き方なんて あたしには無かったんですよ!

最初は面白かった
おとこの体を揉むのではなく やわらかいおんなの体はあたしの体を興奮させましたからね
15でした
15であたしは 初めて仕込まれたんです
何もわからないあたしを こうして ああして とおかみさんは教えてくれました
好奇心でいっぱいで あっという間でしたね
それからしばらくは 次はいつか と心待ちにしたものです

でもだんだんと嫌になってきた

おんなたちは 飽くことを知らない
もっともっと とねだり、あたしが駄目になっても もっともっと とせがみ、あたしを奮い立たせようとする
あさましい と思うようになりました

按摩だけで 生きていきたい

そんな風に思うようにもなりましたが、もう 止められなかった・・・

誰のことも恨んでいない
これがあたしの生きる道

そんな風に仰るのに、光の元へと還ることが出来ないのはなぜだろう と不思議に思いました。

確かに 誰のことも恨んではおられないようですが、決してご自分の人生を楽しまれたわけではないようです。
ただ 流して生きてきたわけでもなく、根底には 冷たく凍った諦め があるようです。
どうせ・・・ という言葉を使われなかったので、すぐには気が付かなかったのですが 玉三さんは自分の人生をすっかり諦めて 言われるまま 生きてこられたのです。

すぐには 玉三さんにも受け入れてもらえませんでした。
ご自分の考え方の どこが違うのか 理解していただけなかったのです。

閉じ込められた 狭い世界の中で、玉三さんは必死で生きました。
最初は 珍しく 楽しいとさえ思えた世界も、やがて自分は利用されているだけなんだ と思うようになります。
おんなたちが時折話す 別の世界・・・

それを知る術もなく、自分はこの世界だけでしか 生きられないんだ という諦めが玉三さんを支配するようになりました。


ここで、玉三さんに普段の生活はどなたがお世話してくれていたのですか? と伺いました。
省三さんというひとまわり以上歳の離れた男性でしたが、その省三さんにもお話を伺いました。

穏やかな方でした
声を荒げることもなく 物にあたることもなく お客さまを悦ばせることを一番に考えておいででした
でも 私はとても 恐ろしい 怖い という思いをぬぐうことが出来ませんでした

どうして そんな風に思われたのですか?

よくわかりません
でも どんなに暖かい日でも 玉三さんのそばに行くと ひんやり震えがくるような そんな底知れない部分があったのです

おふたりには たくさん 木の実を召し上がっていただき、そして光をたっぷりと浴びていただきました。
納得された後の玉三さんは、ゆっくりと光の元へと還って行かれましたが、省三さんはそうではありません。

省三さんはいったいどうして 玉三さんのお世話をするようになったのでしょう?

そこへ現れたのは、玉三さんを抱えていた娼館のおかみです。
実は 省三は玉三の胤なんですよ
いずれは 玉三と二人で相手をしてもらう そんな風に考えて、玉三の世話をさせたんです

省三さんは十のころから 男とおんなのむつごとの後始末をしていた と言います。

あの子は目が見えますからね
ただ 見せていれば それで良かったんですよ
見て 覚える
そうさせたんです

そうでしたか・・・

省三さんには 玉三さんのような諦めはなかったようですが、怖い 恐ろしい と思う人との生活。
知らされていなかった とはいえ、それが親子だったなんて・・・
なんとも 切ないですね。

省三さんを理解してからは、ぐんと楽になり やがて省三さんも 光の元へと還っていきました。

さて おかみさん あなたは? と問うた時、おかみさんは あたしはまだまだ いけませんよ と笑いました。
玉三だけではないんです
もっともっと ご供養しなくちゃ あたしは光の元へなんか いけやしませんよ

そう言って 暗闇に姿を消されました。


ありがとうございます(^人^)

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