猫とワタシ

ご供養物語

2014年6月 大日如来さまに導かれて始まった 広く深い故人のご供養のお話

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この記事のみを表示する34番目 しまさん

供養

 着物姿の楚々とした美しい方のようです。
お名前は しま と仰います。
早速 しまさんの生きざまをみせていただきました。


 小舟に乗って揺られている・・・
この時 安寿と厨子王 を思い浮かべました。
似ているようですが、少し事情が違うようです。

 次はとても仲のよさそうな親子さん。真ん中の小さな少女が しまさんのようです。

公家の娘でした・・・

しまさんが話し始めました。

父と母の深い愛情を受けて育った私は、本当に幸せ者です
信じてもらえないかもしれませんが、父と母と私はいつも 一緒に寝ていました
川の字で寝る と言っているあの姿そのまま、父と母の間でいつもぐっすり眠っていました

あの夜 何が起こったのか 私は知りません
気が付くと 誰も知らないところにいました
それ以降 父にも母にも 会っていません

どうしているのか
何があったのか
とても父と母が恋しい・・・
会いたくて会いたくて どうにもやり切れません


そんな風に仰いました。

早速 両親に来てもらいました。

しっかりとした大人の女性の姿だったしまさんは、急に少女の姿になり 一目散に駆け出しました。

そして 父親の懐へと飛び込み 大きな声で泣きはじめました。
そのそばで、母親も父親としまさんを抱きしめ 泣いています。


 しまよ お前には辛い思いをさせてしまったのだろうな
謀反が起こったのだよ
私の周りの 私が信じていた者たちが、私たちを亡き者にしようとしたのだ
お前だけは! と首領と見えるものに預けたのだが、どうしていたのだ?

 父上 そういう事だったのですね
私は誰も知らないところで目を覚まし、とても怖い思いをしました
それでも 周りのものはみな 私に良くしてくれました
結果 その家の息子のもとに嫁ぎ、幸せに暮らしました
それでも 子を生してみると、ますます父上や母上に会いたくて・・・

こうしてお目にかかることができて、どれほど幸せか・・・

そうでした、私の家族にも会っていただきとうございます


 しまさんは、夫をはじめ 子供たち、夫の両親にも 父親と母親を紹介しました。
皆で 楽しそうに話をしながら、木の実を食べています。


 しばらくして、しまさんたちはそろそろ お暇致します と言って、光の元へと還っていきました。

 残った父親と母親は、何事か相談していました。
それは当時自分たちに仕えていてくれた者たちを呼ぶことでした。


たくさんの人が木の下に集まりました。
何も言わず、ただ 木の実を食べています。
よく見ると その中に嗚咽しながら地面に額をこすり付けている男が居ました。

父親と母親は、そのことに気が付くと静かに頷きあいました。
何も言わず ただ その男を見守っていました。

やがて ひとりふたり と光の元へと還り始めました。

最後に残ったのは父親と母親 そしてもう一人・・・
静かに手を握り合い、じっと見つめ合った後 ゆっくりと光の元へ 還っていきました。


ありがとうございます。
 
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この記事のみを表示する33番目 千代君さん

供養

 33番目は千代君さま でした。

まだお小さいのですが、とてもはっきりとご自分の考えを仰います。



 お庭では殿様と千代君様が毬遊びに興じられております。その姿を微笑みながら見つめられているのが、母上様。

 そこへ居丈高な女性たちが数人 やってきました。
千代君様の母親の姿に目を留めると、つかつかと近寄り 足蹴にしました。

母さま! と駆け寄る千代君様のことも うっかり といった体でやっぱり 足蹴にしました。

殿様もそこまでのことを目にすると、黙っているわけにはいきません。
が、女性たちはさほど悪びれた様子もなく 居丈高なまま 去っていきました。


 私はなぜ 母さまがあのような仕打ちを受けるのか 
私に対してもなぜ あのような態度をとるのか わかりませんでした

 私が 母さまがあの者に何をした と言うのでしょう?


 千代君様はそのことがどうしても理解できない と仰いました。
木の実をお渡しし、居丈高に振舞っていた女性を呼びました。


 私は千代君を認めたことは一度もない
私にとってお世継ぎは 千代君ではないのだから

お名前は失念しましたが、殿様の正室側の方でした。
残念なことに 正室さまは男の子に恵まれませんでした。
そこで側室 という形になったようですが、そちらで生まれた千代君様がお世継ぎとなることを 認めることができなかったのです。

 そうこうするうちに、正室さまにも男の子が生まれました。有り体に申せば、千代君様が邪魔になった・・・



 そういった話を伺っているそばに、千代君様が立っておられました。


 そなたは、そなたの母が他のものに足蹴にされるのを見たことがあるか?
 それが子供にとってどれだけ 口惜しいことかわかるか?

 女性にとっては思いがけない問いかけだったようです。


返事をしない女官に、千代君様は木の実を渡されました。
千代君様が食べておられた そんな木の実です。


 私が毒見をしてある 
何の心配もなかろう

 そう言われて、女性はその木の実をひと口食べました。
続けて食べていくうちに、こころが和らいだようです。


 千代君様 わたくしにもあなた様の思いがやっと理解できました
あなたの大切な母上を足蹴にしたこと 伏してお詫び申します


そう言われると、千代君様の足元にひれ伏しました。


 よい
わかってもらえば それでよいのじゃ


 女性は共のものにも木の実を食べさせました。
千代君様は、ご両親をはじめ、城下の者にも たくさん食べなさい と呼び寄せました。


 しばらくして、まず女性たちが失礼いたします と光の元へ還っていきました。
城下の者たちも 思い思いに還っていきました。

 最後に残った千代君様と殿様 そして母君も、優しい笑顔のまま 光の元へと還っていかれました。


ありがとうございます。

この記事のみを表示する32番目は 黒田藩の若様

供養

今日は32番目 黒田藩の若様。お供の方もそばにおられます。

 まだお若いのですが、どういうことなのでしょうね。早速 生きざまをみせていただきました。


 藩では若様の側室候補を、主だった名家からご奉公と称して毎月お屋敷に集めていました。もちろん それが目的だとは、若様も月に一度ご奉公に上がる娘さんたちにも 教えられてはいません。

 そんな中で、若様はひとりの少女が気になりました。
ただ気になった という事でしたが、次の時は手伝うふりをしてその娘さんのそばに長くいました。
それは とても楽しいひと時でした。

 周りの者はやれやれ と胸を撫で下ろしたのですが、そんな折遠乗りに出掛けた若様が崖から転落して死んでしまう という出来事が起こりました。
従者は、短く文を認め 手綱にくくりつけて屋敷へと馬を返しました。



 若様 事情はだいたいわかりました。
それで? なにが心残りなのですか?

 あのむすめ 美乃と申しておったが、その後どうしたであろうな・・・
なにやら 気に掛かって 落ち着かぬのじゃ


 そうでしたか、では美乃さんに来ていただきましょうか?

 おお そうしてくれ
その後 どうしていたのか あの時の楽しいひと時を覚えておるか 知りたいのじゃ



 若様には木の実を渡して、美乃さんに来ていただきました。

明るくて はきはきとした印象の女性です。若様に出会ったころのことを聞いてみました。


 はい お屋敷には何回か 月奉公という形であがりました
親からはどういう意味があるのか 聞かされていませんでしたから、いつも通り 拭き掃除などしておりました
その時 私よりも若い方が声を掛けてくださり、一緒に拭き掃除をしてくださって(笑)

まさか あの方が若様だったなんて ふふふっ

 両親に話しましたので、いつお召があるか それは待たれましたね・・・

結局若様は亡くなられて、私は親の決めた人と一緒になりました


 そうでしたか。

そこへ若様がやってきました。

美乃どの お久しゅうございます

 若様! これはこれは・・・

いやいや いまは何の身分もない 
お気に召さるな

 
 しばらくは楽しそうに あのころの話をされていました。美乃さんが 自分のことをしっかりと覚えていてくれたこと、そして屋敷に上がることを心待ちにしていたらしいことを知ると、若様はとても機嫌が良くなりました。


 もしも どこかでまた会うことがあれば、その時はもっと親しくなりたいものだ

 そう若様が言うと、美乃さんも恥ずかしそうに頷きました。

そうして ふたりはゆっくりと光の元へと還っていきました。


 残されたのは、家臣。このまま放置することも出来ず、彼の言い分も聞いてみました。

 

 若様をお守りすることができず、あの時若様の後を追いました
無念でした
殿様に合わせる顔もありませんでした
あれから ずっと 若様と共におりましたが、これでもう 私も成仏することができます

 もちろん この方にも木の実を食べていただきました。
しばらくして、白馬がやってくると家臣はその馬に乗り、光の元を目指しました。


ありがとうございます。
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